新時代へ飛翔した傑物たち記事一覧

筆者は蒲生氏郷という戦国期に誕生した類稀なる傑物が好きであるので、国人領主の紹介記事で近江日野蒲生氏について紹介させて頂いたのですが、その折には筆者の蒲生贔屓の気持ちが強くなってしまい、氏郷の先祖たちの紹介で思った以上に長文となり、肝心の氏郷についてまで執筆できなくなってしまったので、今記事では漸く氏郷について書かせて頂きたいと思います。 蒲生氏郷は家臣からの信望が厚い魅力の持ち主であり智勇優れた...

大和国(現:奈良県)の山間・柳生荘のから興った国人領主・柳生氏、その興亡、そして宗厳こと石舟斎が創始し、後に徳川将軍家の御家流儀となった柳生新陰流については既に別記事にて紹介させて頂いた通りでありますが、今回は石舟斎の五男であり、徳川家康・秀忠・家光の徳川将軍3代に剣術指南役、更に武家を監察する初代総目付(のちの大目付)として仕え、一国人衆であった柳生氏を小禄ながらも近世大名まで仕立て上げた『剣豪...

 剣術あるいは、並々ならぬ諜報力を有し、江戸幕府の初代・惣目付として諸大名に畏怖された柳生宗矩は、その職歴により剣劇などの創作の世界では、幕府(徳川)を護るために平気で暗殺(謀略)も厭わない冷酷無情の官僚として描かれてしまうことが多い、ということは先の記事でも何度か紹介させて頂いた通りですが、実際はそれまで殺人の技能としてのみ特化されていた「剣術」に、禅宗の教えを上手く融合させ、己の精神・身体を鍛...